bakodayo-basu3・放送作家のブログ

放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

ウケた落語とウケなかった落語…

 夜中に夢の中で、ふと…考えたのだが…。40年前の東海大学落語研究部時代…。自分がやってウケた噺とシラケタ噺の違いは何なのだろうか?

 私が学生時代にやったのは「長短」(ウケない・一度だけウケたが理由は分からない)「饅頭怖い」(はまると大きくウケるが、けっこうシラケる)「粗忽長屋」(一度もウケない)「反対俥」(逆にシラケタ記憶がない)「小言念仏」(100%ウケない)「欠伸指南」(99%ウケない)「火焔太鼓」(ほとんどウケた)「妾馬」(一度だけやってドッチラケ。二度とやらなかった)「提灯屋」(色々な場所でウケた記憶がある)。

 

 誰のネタで覚えたか検証してみた。「長短」(小さん師匠、小三治師匠)。「饅頭怖い」(円菊師匠)。「粗忽長屋」(小三治師匠)。「反対俥」(入船亭扇好さん(現・扇遊師匠の二つ目時代の音源))。「小言念仏」(小三治師匠)「欠伸指南」(小三治師匠)「火焔太鼓」(先代・柳朝師匠)。「妾馬」(圓生師匠)。「提灯屋」(小三治師匠)。

 

 並べてみると、シラケたネタは小三治師匠で覚えたものが多い。当時、最も好きだった師匠なのでマネしようとしたのだろうが…。素人にマネできる様な芸ではなかったのかも知れない。また、好きすぎて、ネタを変えずそのままやっていた。

 圓生師匠の音源で「妾馬」をやったのは、もっての他の失態だ。まだ、20代の若者なのに、口調がお爺さんになっていたかも知れない。

 最後の「提灯屋」はウケた思い出が多いが…。この時は4年生だったので、自分には技術的に出来ない小三治師匠の間や言い回しははぶいて、オリジナルの演じ方をしていた。マネしなかったのが勝因ではないだろうか?

 後の人間国宝なのだから、素人がコピーしようとしても無理である。何故そこに3年以上気づかなかったのか悔いが残る。

 

 よくウケた「反対俥」は当時、二つ目さんのネタ。やり方も、ギャグも全面的に変えていた。この時、三年生。しかし、何故ウケたのかには気づいていなかった。

 

 今の大学落研が元ネタにする一番人気は春風亭一之輔だという。「堀之内」や「鈴ヶ森」など、各大学で大人気の様だ。

 しかし、あの圧倒的な力量の落語を学生がコピーできるのだろうか?同じネタなのにシラケテ恥ずかしい思いをしている学生が多いのではないだろうか?

 

 学生時代。私の同期が小遊三師匠(当時・二つ目)の「千早振る」を、そのままコピーでやった奴が居た。40年前。小遊三師匠の「千早振る」はギャグ満載でテニスのマッケンローまで登場する爆笑ネタだった。しかし、私の同期は最初から最後まで「クスリ」とも言わせないというシラケの完全試合を達成していた。

 他の大学にも、円鏡師匠の「猫と金魚」をそのままやってシラケる奴。口調だけ談志師匠で暗いだけの奴。髪型だけ志ん朝師匠で噛みまくる奴…。色々いたが、やはりコピーはみんな酷かった記憶がある。

 多分…私を観た他大学の学生も「こいつ、コピーなのにヘタだなー!」と思っていたことだろう。

 

 ある先輩が言った「音楽だってコピーを重ねると劣化する。自分で作れ!」

 

 今の学生は大丈夫か?ふと、心配になる私である。

 

 

 

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ラジオ「サンデーフリッカーズ」が十年続いた!

 2020年10月でFМラジオ「サンデーフリッカーズ」春風亭一之輔(JFN)が放送10年となる。遂に11年目へと突入である。

 

 10年前。プロデューサーのKさんから「日曜朝の番組を落語家さんで…。10年続く番組にします」と言われたのが、始まりだった。

 

 その時「10年続く」は社交辞令だと思っていた。私の放送作家生活36年で10年続いたラジオは初めてである。

 

 まだ二つ目だった春風亭一之輔さんが「サンフリ」と共に、どんどんと出世する姿を目の当たりにした。番組が始まって数年でNHKで賞を取り、芸術祭の新人賞まで獲得してしまった。

 その勢いは、止まらず。抜擢での真打昇進。テレビにもたびたび登場する様になった。

 

 そして、今や落語界の中心人物として君臨している。いったい、この男はどこまで行ってしまうのだろう? 最近、ダイエットまでして、まだ、モテようというのか…。

 

 放送開始十年は「単なる通過点」。次の回は、これといった大きなイベントなどはせず、普通の放送となるだろう。背伸びせずいつまでも、部室みたいなトークを続けて欲しいものだ。

 

 そして、リスナーの皆さんに感謝致します!